世界銀行 久保田理恵子さんのサイエンスカフェ1
国立環境研究所資源循環社会システム研究者であった久保田理恵子さんのお話会はまさにサイエンスカフェ
「気候変動の枠組みを考えるCOPなど皆さんご存知ですね。国際条約は誰が作ると思いますか?」
の問いから始まりました。
「官僚です。チームには研究者もいるが、ほとんど交渉国の代表についてきた官僚が作るのです。この人たちは現場の問題を本当に理解しているか、大変疑問がある。様々な立場の方がた、多様な科学者、研究者、NPO、NGO、地域の生活者、様々なステークホルダーの参画が必要という気運が起きてきています」
マルチステークホルダー。法律、様々なルール作りに色々な立場の人たちが公平に意見を出して決めるというのが今一番大事な視点であり、これこそがSDGsの大事なところ。
Think global,Act local
先進国も途上国も誰一人取り残さず今やっていることだけでなく、さらにどうやったら問題解決できるかこれからどうやって進めるかのツールのよりどころであるプラットフォームと制度作りで目標17のパートナーシップが基本。出会い、知る場を創る。
「プラスティックごみについてケニアで重要な国連環境総会が持たれました。画期的な新しい動きがありました。ご存知ですか?」
「プラスティック汚染を終わらせる。世界条約策定まで2年を目指すという画期的な合意です。国際条約成立に普通何年かかると思いますか?」
「最低5年はかかります。既に問題が顕在化して複数の国が何とかしなければとルール作りを始めて5年はかかるのです。でもプラスティック汚染は地球規模の喫緊の課題で世界規模で効果的な行動をとるために2年で作ると決めたのです」
閣僚宣言は以下の通りです。
2022 年国連環境総会 閣僚宣言
「持続可能な開発の実現に向けた自然への取組の強化」(環境省作成日本語概要)
世界中のプラスチック汚染を終わらせるため、プラスチック汚染に関する法的拘束力のある国
際約束策定のための政府間交渉委員会の設立を決定したことを歓迎する。(パラ 3)
生物多様性と生態系サービスに関する政府間科学政策プラットフォーム(IPBES)の調査結果に
深い懸念を示し、人類史上前例のない、生物多様性の地球規模の減少と生息地の分断を止めるこ
とが緊急に必要であることを強調する。(パラ 6)
自然の価値を評価する革新的かつ包括的なアプローチを通じて、持続可能な開発目標(SDGs)の
達成に資するために資金の流れを再調整する。(パラ 9)
エジプトにおける国連気候変動枠組条約第 27 回締約国会議を成功させ、気候変動に取り組むた
めのグローバルな行動を更に強化することにコミットする。(パラ 11)
野心的かつ変革的なポスト 2020 生物多様性枠組を生物多様性条約第 15 回締約国会議第二部で
採択するよう求める。(パラ 12)
経済と生活の活性化及び貧困の終焉を目指し、内包的で持続可能な復興とグリーンかつ公正な
移行を推進することにコミットする。(パラ 14)
国連生態系回復の 10 年へのコミットメントを再確認し、生物多様性にとって特に重要な地域に
焦点を当て、生態系の損失、劣化及び分断を止めるために、あらゆるセクター及び政府レベル、
並びに政府間で取り組む(パラ 15)
自然資源の保全と持続可能な利用・管理を促進し、資源効率と循環型経済の政策アプローチを含
め、政策立案において自然の評価と自然関連リスクの評価の適切な方法を適用することにより、
持続可能な消費と生産パターンを推進することにコミットする。(パラ 16)
森林破壊と森林劣化を削減し、劣化した土地、土壌、生態系の保護、保全、持続可能な管理、
回復によって、生態系を活用したアプローチと自然を活用した解決策を促進、強化する。(パ
ラ 17)
気候変動、生物多様性及び汚染に関する効果的な行動及び政策立案のための最善の科学の重要
性を認識し、この重要な 10 年間に緩和、適応及び資金に関する野心と行動を強化することの緊
急性を強調する。(パラ 18)
持続可能な開発のための重要な手段として、国による強固な執行を伴う包括的な土地・水利用
計画を推進し、持続可能な生産とバリューチェーンへの投資を促すようなビジネス環境の整備
を支援するための国際協力を奨励する。(パラ 19)
セクターを超えた新しく革新的なパートナーシップを追求し、さらに、全ての関係者を巻き込
み、自然のための行動を展開し、環境に対する根強い負の長期トレンドを逆転させることにコミ
ットする。(パラ 22)
強化された食料安全保障と回復力を提供しイノベーションを促進する観点から、他の政府及び
地域の関係者並びに民間セクターと連携し、セクター及び政府のレベルを超えて協力すること
(別紙4)
ことにコミットする。(パラ 24)
国連環境計画事務局長に対し、ストックホルム+50 国際会議の事務局長として、この宣言を国
連環境会議の意見として同会議へ提出することを要請