3月議会令和3年度予算討論

令和3年度予算特別委員会委員として3月議会の審議を終えました。

最終日の討論を転記します。

 

私は令和3年度一般会計、及び4特別会計に賛成の立場で討論させていただきます。

震災から10年、世界は思いもよらぬ混迷の時代を迎えています。全て何年も前から指摘されてきた課題を先送りにして大人たちはなすすべもなく子ども達に更なる困難な世界を置き土産に残りの人生を秒読みで逃げ切ろうとしているのです。一方私は市民運動の議員として全身全霊をかけて未来のために命を燃やす方々に出会ってまいりました。彼らが訴える未来に向けた方策は連帯です。

「日本人は連帯してゴールを達成するという重要な力に欠けている」と指摘されたのは福島原発事故後、全国の学者、市民が集った原子力市民委員会の座長として最後の命を全うされた大礒在住の船橋晴俊氏です。私は議員になること決める際最初にラディアンホールにて船橋晴俊氏の学習会を計画し、子ども達も含め二宮で市民発電所を作ろうとする方がたで準備会を持ちました。その席でこの言葉を遺言のように残され数日後にお亡くなりになられました。

「連帯してゴールを達成する力」それはまさに政治そのものです。金を目当てにまた政局目当てに対決を見せる政治から

本来の政治の原型である

連帯して課題解決にあたる市民協働、公民連携を私達は推進するべきです。

 

 

 

村田町政は住民力のまちづくりを掲げており、令和3年度の一般会計予算には連帯する動きに資する政策が多く見受けられました。

地域再生事業、東大果樹園跡地活用事業、町民と創る第6次総合計画、地域福祉御計画、時期環境基本計画、地域協働の放課後子ども教室、町民活動推進補助金予算増、遊休農地再生事業予算増、森林環境譲与税の吾妻山環境保全への活用、シティプロモーション事業、等町民とともに住民力を活かし連帯して町政を進める方策と評価します。

 

 

企画政策課の駅北口からラディアン裏に至るまちづくり計画においては昨年新庁舎ワークショップでの学びを施設再編チームで検討範囲を広げ専念するとしました。縦割り行政を一新する鍵を握る担当課で庁内の若手職員に信頼厚い人材が投入されます。説明を受け二宮での生活圏の肝である文化、政治、福祉拠点を網羅する地域の計画に引き付けて施設再編の一歩を進める方策であると理解しました。今後デジタル住民会議も活かした、住民のまちづくりへのビジョンを喚起し、編集する意欲的なものであるはずです。

新庁舎計画は今までの首長が先送りしてきたものを引き受けたもので、パンドラの蓋をあけた町長の勇気、町民との話し合いを貫いた町行政のスタンス、庁舎のあり方をさらに議論し、未来に禍根を残さないようにするという慎重で粘り強い態度を評価します。

東大果樹園跡地の社会実験はこの一年で4つの法人が町内に出来る動きの発端であったと感じています。一つは東大果樹園跡地で主に活動する団体です。コミュニティスクールで活躍する優れたPTA会長の方々や一昨年の子ども会祭り「ミニニノミヤ」を牽引した役員を担った方がたとも繋がります。ミニミュンヘンというミュンヘンで始まった子ども達だけでまちづくりをするという意欲的な世界でも有名なイベントに学んだものです。当時生涯学習課がかかわりました。ユニセフは子どもに優しいまちづくりとして子どもの権利条約に則した子どもが参画するまちづくりを推奨しており、二宮独自の子育てのビジョンを持たれる人々に共通する視点です。

今一つは遊休農地再生、山林整備に取り組む風土を再生し、撤退した自然と暮らしを繋げる「農」に注力する団体で行政と丁寧なコミュニケーションをとり続けています。企画政策課の移住セミナーに参画する町民ファシリテーターが尽力し100人規模の通年の農スクールと言える事業を展開し、町内遊休農地再生に貢献、2020年かながわ生き活き若者大賞を受賞した若者団体もここと協働しています。コロナ禍エッセンシャルワーカーとして忙殺される行政に出来ない地域の有機的な動きを加速させており移住促進にも大きな効果を呼んでいます。3つ目は県内でも信頼を集める福祉の専門家が二宮町の福祉のまちづくりにコミットすることを決断されたものです。福祉課は少人数で床もつぎはぎだらけのボロボロの庁舎1階で地域福祉を推進し県内でも賞賛されるほどの成果を出してくるも平塚保険事務所管轄の分野とも連携が必要でさらにコロナ禍ワクチン等の環境整備にも膨大な仕事量を要請されてきたところです。福祉のまちづくりこそ今後の重要なテーマでありダイナミックな連帯が求められるところ、鎌倉でも有名な法人インクルージョンネットかながわの理事もされていた福祉の専門家が新たにこの町にコミットすることはおおきな転機です。

いま一つは行政発のこの度法人化に踏み切る観光協会です。

この町で初めてまちづくり会社と言えるものが出来るという期待を持つものです。自治体の多くがより機動的なまちづくり会社を持つもので私が注目する明石市は明石子ども財団。コミュニティ創造協会等まさに市民が連帯し、有機的に様々なことを繋げ活力を生む方策を取っています。観光にとどまらず商工、福祉、生涯学習、文化醸成に資する新たな人材、社会資源と連帯の動きに期待します。

名称をそれにふさわしいものにまずは変えるべきであると要望します。

 

教育においてはコミュニティスクールで地域住民と学校の連帯、小中一貫教育は学校間の連帯と教員のコミュニケーション、教育技術を高めることに資する動きで広島県で日本で先陣を切ったイエナプランによる公立学校の出現も、小中一貫校設置が進む広島県内の状況が素地にありました。

 

審議中に教育主事より小中一貫教育とイエナプランはビジョンを同じくするものであると答弁がありました。私は町内の突き動かされて動くこの二宮独自のキラーコンテンツを編集して見せる強力なセクターは学校ではないかと考えています。若い人たちが子ども達の未来に大きな危機感を持っているからです。

不登校児童生徒はここのところずっと30人を超える状況でこれはイエナプランの異年齢クラスを持てる人数です。おそらく不登校のグレーゾーンの子ども達を入れると2クラスも可能でしょう。彼ら独自の優れた力を引き出すべ「君は毎日をどのように過ごしたいか、君に相応しい学校を一緒に創ろう」と社会実験をすべきではないか。

子ども達、教員、保護者すべてがもう少し苦しくならない方法があるはずと当事者の保護者の方々は訴えます

既に先ほども申し上げた通りイエナプランの公立学校が開校する状況があります。二宮町が掲げる誰一人取り残さない特色ある学校教育の優れた方策ではないか。町民とともに実践、研究を進め、今手つかずで取り残されている子ども達と一緒にチャレンジすべきです。町外からも苦しむ子供達に「この町においで。一緒に考え頑張ろう」と言えるようにする。これが自治体の教育行政と定住促進の正しいあり方ではないか。

公民連携、横に縁を繋ぎ様々な活力を引き出すあり方、つまり行政だけでは成し得ない未来に向けた新しい自治の形こそこの町が研究すべき分野であり、鍵は生活者の素朴な素人的な発想であると新庁舎ワークショップの防災に関わる講師であった東京大学生産技術研究所教授の加藤先生の言葉です。

 

生活環境課の事業「持続可能な環境づくりに向けた積極的な啓発の推進」では若手職員の意欲を感じています。今、町内小中学生の有志が町と協働のエコフェスタ二宮という環境フォーラム主催のシンポジウムの準備がはじまりました。⒌月にラディアンホールで発表するべく若者達と町内13団体の環境に関わる団体、環境とコミットして働く事業者への訪問取材が始まっています。ラディアンホールで行われたオリエンテーションでは生活環境課の職員が「二宮の歴史上初めての一歩です」と熱く語りました。また予算審議中に総務課の若手職員から自らの働く場についての熱い答弁がありました。二宮町の若手職員から人間力を感じる生き生きとした言動を聴けたことに希望を感じています。小さい町で業務が増大する中、人員削減で職員の環境に配慮が必要ですが公の仕事のレジェンドが生まれる可能性のある町であると思います。

議会は昨年コロナ禍の初期、町長副町長、教育長の歳費削減の議案を否決しました。

議会費について二宮町は議員歳費はそもそも生活給ではないという説明を議会事務局より受けました。今後財政縮小の強い流れの中議会費を削り協働のための基金を作ることも研究するべきでしょう。出来るだけ政治に参画する人を増やす観点はこの住民力の町の必須検討事項ではないか。これから地域にはリモートで活躍する若い人材が増える。広く連帯してこの二宮町という船を如何にこぐか、プラスのエネルギーが生まれるようあらゆる住民との協働を丁寧にしかもチャレンジングに運営することを求めます。

 

高齢介護課につきましてはワクチン以外の特に免疫にかかわる重要な学びを福祉施策に活かせるよう研究を進めて頂きたい。

国保税会計については引き続き減免基準について子育て家庭に配慮した研究を望みます。

介護保険特別会計につきましては

介護予防事業の人が集まることをすすめて来た方策の転換として食、買い物、移動と生き続けてきた生活習慣を補償する福祉のまちづくりに転換を求めます。ここには商工会、公共交通、道路の整備、生涯学習、等多課連携の議論が重要でラディアンから駅北口のまちづくりの論点に欠かせない福祉のまちづくりの先進事例等資料提供を求めます。福祉事業者、空き店舗活用、起業を誘引するような若い世代も交えた活発な議論が不可欠です。新しい町の法人の活躍を望みます。

 

下水道特別会計につきましてはアクションプランンを継続運営し、持続可能なメンテナンスの運営に加え耐震等の災害対策の要素を特に主要な幹線について進めることを望みます。

以上です。