2020年1月24日臨時議会報告
二宮町のシンボル事業に東大農園跡地での子どもが自然の中で生き生きと遊び、多世代が集う居場所とする町民活動があります。この度ここに企業版ふるさと納税の適用による5000万円の寄付を見込み町からの1800万円の水道等のインフラ投資を含めた補正予算について臨時議会が開催されました。
賛否は拮抗する状況でしたので議員同士の意見交換の場を提案しました。各議員の考えを聞き、持っている情報の違い、多寡を整理し、より良い議決に向けて論点を整理しました。
反対意見は手続きに関する疑問、疑念によるものが多く、構造的にこの町に協働の概念が浸透しておらず、新しい公共に向けて様々なアクションが必要であると痛感しました。
当日、傍聴席に若い子育て世代の方々があふれ、前代未聞の生き生きとした熱気にあふれていました。「子どもを中心に据える」とはこのような景色なのでしょう。東大農園跡地の町民主体の今後の活動にはっきりとしたヴィジョンを持つ方がたが集まっていることを表していました。
議決は1票差で可決となりました。
以下私の賛成討論原稿を添付します。
私は本議案に対し賛成の立場で討論させていただきます。議会に今回の議案について東大農園跡地運営協議会のメンバーであるお二人が説明に来られました。
お一人は議会が数年前に開催した地域の公園についての意見交換会に来られ地域で育つ子供の貴重な生育環境のために公園の在り方の具体的な提案を頂いた若いお父さんです。議会としてその後公園の在り方を変える施策を何一つ打てなかったのですがその方は地域の公園愛護会で活躍され着実に変化を起こされています。そしてもうお一人は二宮の子育て中のお母さんの代弁者として、また自然と子供のかかわりについて様々な独自のコミュニティー活動をされています。お二人は「子ども達の事を」と何度も強調されました。
子ども達の成長を真剣に考えることは自治体の使命です。子ども達が生きる力を持つということに於いて、私達よりも強い危機感を持つ若い方々がこの町で実現したい子育ての街づくりを行政、議会は的確に公共の事業として変換し共同で推進しなければなりません。
川崎市は子ども権利条例を200回もの市民会議を重ね制定し体現施設として子ども夢パークを作りました。土を掘り、水を流し、火を焚ける自由な遊び場です。子どもの、若者たちの居場所である教育ト福祉が融合する施設も併設されています。誰一人とり残さないとするSDGsの観点を強く持つ施設です。二宮の若いお母さんお父さんたちは「自然」というキーワードを持ち、川崎のそれをさらに進化した場を想定しているように思います。吾妻山、谷、川、海と繋がるこの二宮の風土がなせる力です。東大農園跡地を子ども子育て計画、総合計画に頻出する「自然の中で」という言葉を体現する仕掛けを求めるものと理解します。
今回の企業版ふるさと納税の適用を歓迎いたします。私は議員として今までクラウドファウンディング型ふるさと納税を設置するよう行政に要望してまいりました。また、ヴィジョンを持つ町民と行政が協働して縁を活かし、都市化のボーダーラインである二宮町ならではの自然と人がいかに関わるかについて新しい提起をする豊かなまちづくりを目指すことを求めてまいりました。
町のインフラ投資は妥当でしょう。この出会いを活かすも殺すも当事者である協議会、行政と私達議会次第です。
議会、行政が力を合わせてこの町の持続可能な未来に向けて死活する当事者が持つビジョンー大切な卵だと私は考えますがー孵化し育てる技術を学び、応援していくことが肝要です。企業側にそれを見せなければ次はないでしょう。新しい公共のルールを定めるという観点から町の協働に関する法整備に向けて学びを進めなければなりません。
従来の型にはまった公の手法、概念を進化させ町の資源をさらに発掘し、今後のさらなる投資、連携を引き寄せる起点となることを願います。