2020 年3月議会総括質疑をしました。

本議会は二宮町の新しい公へのチャレンジに繋がる特に大事な局面であることから総括質疑をしました。

3つの要旨は全て協働に係ることです。

要旨1の森林環境譲与税については再質問で、世田谷区のまちづくりトラスト協会の事例から、最後に、大磯町の自伐型林業大礒プランを引用し、二宮町の持続可能な協働の森林プランを要望しました。町長は今後具体的に検討すると答弁有りました。

要旨2の教育については独自の新しい理念の学校を一色小学校に持つこと、要旨3では新庁舎ワークショップを新庁舎の議論に留まらない二宮町のグランドヴィジョンに繋がる本気の職員、町民、専門家による円卓会議とすることを求めました。

r町長から行政では限界がある部分を専門家やフロントランナーである方々の助力を得て新たなハザードや未来の二宮町に向けたグランドヴィジョンに繋がる学びの本気のワークショップになると答弁ありました。

以下登壇原稿です。

世界の環境問題の研究者でつくる国際研究協働プラットフォームであるフューチャーアース日本語訳地球の未来は2月20日に「気象変動や生物多様性の消失、食料、水にまつわる危機が積み重なって文明の崩壊をもたらしかねない」と警告する報告書を発表した。50か国200人を超える研究者が集い最新の研究成果の危機感はSDGsの解釈にまごまごしている日本の公の認識がかけ離れてのんきであると警告するものだ。いま世界の危機感は新たなコロナウイルスの感染の情報に席巻されている。ワクチンの生成がいわれているが、化学物質漬の昨今2人にひとりの日本人がアレルギーで子どもの尿から化学物質が」検出されるという状況では逃げ切り型の対応策のみならず、事の本質である免疫の仕組み、命の科学を見極めて100年さきを見越す本来の食と水、土の環境を基本とする保健計画なのではないか。国策が遅れる中、持続可能の本質に迫る自治体のセーフティネットの役割は増大したと感じている。

町長が施政方針で言われたように主権者に最も近い自治体がたくさんの住民と対話を重ね手を取り合い、大きな輪となってこのセーフティネットを築いていくことが私達の仕事だと思います。

今年も吾妻山の菜の花を多くの方々が太平洋、箱根、富士、丹沢山嶺を望む絶景を楽しみに訪れました。

福島県南相馬市でも海岸から程近い広い圃場一面に春になると菜の花畑が出現します。有機農法の圃場が原発事故の放射能汚染で絶望の淵に立った現在の南相馬農地再生協議会代表が菜種が土壌のセシウムを吸着し農地改良になり、しかもセシウムは水溶性のため油には移行しないとの情報を得て様々なNPO法人、特に滋賀県の法人から広がった菜の花プロジェクトネットワーク、福島大学、福島ロータリークラブの協力で搾油所を作り商品化、バイオガス発電、廃液を」放射能物質を取り除き液肥とする自然循環サイクルを目指しています。次の世代を見据え人々が輪となり菜の花プロジェクトに挑戦しているのです。

二宮町はこの吾妻山の頂上のマイナスイオンたっぷりのおおらかな海風が吹く自然の空中庭園で菜の花のかなたの大自然を望み至福の時を過ごす方々にどのようなまちづくりを見せるのでしょ

今年菜の花が少し元気がなかったという声を聞きました、

おそらく土の環境の劣化、化学物質肥料の影響もあるかと思いますが元気がないのはむしろ吾妻山そのものです。樹木医の方は何年も前から警鐘を鳴らしています。

昨年町内にNPO法人が誕生しました。自然環境に係る法人としては2つ目ですが環境保護に取り組む団体は複数有ります。みな何年も前から声を上げていましたが実際に吾妻山の谷戸田再生のために山林に入ってその荒れ方に驚愕しました。倒木崩落があちこちに散見されます。3年前に日本でも知る人ぞ知る大地の環境保全に係る方が二宮町の講習会に講師として招かれ吾妻山に登られましたが、「木がこんなに傷んでいるのに気が付かないのか」と驚いていたことを思い出します。吾妻山はかつて薪山でした。細かい区割りで多くの住民が薪を摂り整備してきた山なのです。しかしながらエネルギーが石油、石炭に転換され放置されてきた。人間が一度手を入れた山は手を入れ続けなければならないのです。

激甚化する風水害で最初に人々を震撼させたのは奥山の巨大な崩落でした。奥山も林業の衰退によって放置され木が大きくなりすぎ、大地の土中環境が劣化し、根を張れなくなっていた。昨年、国は地球温暖化防止や国土保全のために森林を整備、管理する財源として森林環境譲与税を創設しました。全国民から一人当たり千円、住民税に上乗せして徴収され所有する私有林面積や林業就労者数に応じて国から自治体に配分されます。自治体への配分は前倒しで昨年度から始まっており令和2年度予算書には2484000円の歳入が記載されている。基金として昨年度分と合わせ約3669000円が計上されています。

要旨1では吾妻山からまずは二宮町として森林環境を持続可能にするために森林環境譲与税を使うべきではないかと問います。

 

2020年教育改革が取りざたされている。改革改革というのはもうやめようと都内の小学校校長が嘆かれている。改革という言葉は強制的な感じがある。

私達は存在している。ここから始めるべきだ。新しく考えてみようと。

目の前の子ども達のために二宮町内では様々な町民活動が展開しているところです。

ここのところ発達支援の学習会の連続講座が話題を呼んでいます。有志の方の出資でまさに目の前の子どもたちに接する学びを広げている。子ども達の事を考えるとは大人達自身に向き合うということです。

東大農園跡地での町民活動、子ども農園、複数の子供食堂、子どもの学習支援、2月9日に行われた子ども会祭りはかつてない意欲的なものでした。私達がちからを合わせて子ども達を育むことを考えたいという機運が高まっている。このような動きは全国的にも起こっていて、子ども達を如何に育むのか大きな危機感を持って、学校の諸問題を正面からとらえ、学校教育の在り方を転換していこうという動きがみられます。イエナプランについては9月議会でご紹介しましたが今年日本で初めて公立小学校にイエナプランを取り入れた広島県では県庁の講堂で100人もの教育関係者と保護者有志20名が「脱画一」をテーマに対話する集会を持ったそうです。そもそも二宮町で小中一貫教育という方向性がでてきた本旨は学校再配置を施設ありきでなく教育を受ける児童生徒を主体に考えたいという教育委員会の意向であった。要旨2では目の前に存在する子ども達を教育する自治事務の可能性について二宮町でも教育関係者、保護者、専門家、そして子ども達とも円卓で議論する場を設けるべきではないかと問います。

 

要旨3では新庁舎整備計画について伺います。

町長は施政方針で令和1年12月に神奈川県が「洪水浸水想定地域」で1000年に一度の大雨を想定したことから、新庁舎整備計画を一旦白紙にしてリスク評価、効果的な投資のために専門家、町民とともに基本計画を作り直すとしました。

大いに評価するところです。

予算案説明資料には町民ワークショップのために64万円が計上されファシリテーター、コーディネーター謝礼と説明があります。

未来の二宮町に向けてもっと議論を、グランドヴィジョンをと求めていた町民の思いをしっかりと受け止めたのだとすれば質が問われるところです。職員、町民、専門家、上級のファシリテーター、コーディネーターによる本気の円卓会議が出来ればここ2年の行政の仕事が活かされ二宮町にかつてない実績となると思うが如何でしょうか。