自治体の工夫で乗り切る超高齢社会 福祉と移動

2018年9月5日 00時23分 | カテゴリー: 活動報告

町民の方々から移動支援と移動販売について強いニーズを伺っています。

神奈川ネットでは移動支援についてはかねてより研究を続けており、各地での先進事例についての学集会に出席しました。

福祉施設の車両を活用した地域サロンへの送迎[川崎市}について以前に報告しましたが今日は今年の4月に行われた認定NPO法人かながわ福祉移動サービスネットワーク主宰の「高齢者・障碍者の移動手段を考えるセミナー{福祉と交通の連携}」についてご紹介します。

第1部の基調講演は鎌田実氏(東京大学大学院新領域創成科学研究科教授)から「地域の移動手段確保のために」、金子正志氏(国土交通省総合政策局公共交通制作部交通計画課課長)から「運輸部門からみた高齢者輸送サービス」、服部真治氏(医療経済研究機構総務部次長)から「総合事業を知って、使いこなすには」が話されました。第2部は県内の多様な実践例を使ってのパネルディスカッションでした。

鎌田氏は、少子高齢化社会での交通について、大都市では当面現在の姿が続きますが、地方はマイカー主流で、郊外では公共交通は事業性やドライバーの不足という問題が出るといいます。高齢ドライバーの事故への危惧から自動運転に希望を繋ぐとしても十分に安全に運行できるまでには相当の時間が必要です。そんな中で街中の再生の例として輪島の「輪島カブーレ」は街中に施設を作りその間をゴルフカートで移動するというコンパクトな移動の取り組みが4月から始まったそうです。人口減少社会であっても豊かな暮らしがでいる様なグランドデザインを描く必要あるとのことです。

金子氏は許可制の旅客自動車運送事業と登録制の自家用有償旅客運送について、ボランティア輸送の考え方などを分かり易く説明されました。また介護予防・日常生活支援総合事業の訪問型サービスDに対しては介護保険からの支援(間接費支援)があるものの、普及が遅いとの認識でした。今後の具体的な取り組みとして介護保険事業の中に「移動手段の確保」という項目を、地域公共交通網形成計画に「高齢者輸送」という項目を盛り込むことで福祉部門と運輸部門との連携を作り出すことが必要だとまとめられました。

服部氏は総合事業での移動・外出支援を山口県防府市の「幸せます健康クラブ」を例にあげ、地域のスーパー、社会福祉法人、地域ボランティアが連携して通所型サービスA、訪問型サービスD,通所型サービスBを運用していることを話されました。

1~2部を通じてたくさんの話をうかがいましたが、高齢者の移動の支援と共に総合事業を行うための事例の提案と受け取りました。総合事業について神奈川ネットのプロジェクトで自治体への聞き取り調査をしたところ、訪問AB、通所ABともに実施できている割合は低く、ゼロの自治体も多いことがわかりました。住民主体といっても担う住民が手を上げなければ成り立つことは無く、担い手づくりに大変苦慮している現状があります。

二宮町の総合事業では訪問型、通所型という事業所を使った施策は展開しておらずまずは介護予防の枠から「地域の通いの場」を全地域に展開しました。地域の担い手である方々のところへ行政が出向き、地域が答えた形です。多世代交流の居場所作りについては要望してきたのでここに起きた地域との対話の成果について議員として評価してきたところです。しかしながら地域を歩いて通いの場に来られない非常に多くの方々について移動支援と、新たな居場所となるべき移動販売の推進について喫緊に進めなければと痛感しました。実現のコーディネート、社会資源を繋いで実践事例を作るために活動を進めます。