デンマークの幸せで持続可能な社会づくりその5・民主主義・政治が生きている国

デンマークロラン島でジャーナリストとして活躍されていたニールセン北村朋子さんから昨年の「ぼくたちわたしたちの地球会議」で子ども達と一緒にお話を伺いながら、日本とは全く違う政治の生きた国の姿に感嘆しました。学校が地域の政治の学校として機能している姿は衝撃的でした。まさに生活の場が政治という私達市民政治を求める地域政党が学ばなければならないたくさんの要素がありました。例えばSDGsについて子どもと家族がかなり踏み込んだ学びをしてまとめた提案が国政の大臣に繋がることや、コロナの初期、首相がまず子ども達と語り合う場面があったこと。地方自治の形として地方議員の報酬は16万円程度で後は費用弁償であること、仕事を持ちながら市民として夜間や土日に行われる議会に参加、専門性を活かした委員会が非常に活発であること。選挙活動は地域の学校を始めとして持たれる対話集会が主で頻繁に持たれる。むしろ市民からの質問や政策提案の場面が多いこと。普段から「民主主義」について人々が自分の意見を出しながら磨いている文化があることからも非常にフラットな政治の場が豊かに持たれている。

ニールセンさんは日本国籍を持ちながら、昨年11月にロラン島の地方議会議員として立候補されたため、今回の学習会ではさらに新しい視点からデンマークの政治についてお話を伺いました。

ニールセンさんが選挙を経験して最も印象に残ったのは選挙前の対話集会(ほとんどすべての候補者が参加する)だったそうです。

 

 

世界のニュースを子ども達にわかりやすく伝えるための教材を作っている会社が開催したものは、リアルタイムのリモートかリアル参加は学校ごとに選ぶ形で高校の必修科目になっている。政策提案が議論された。その中で「コロナ下の子ども達の社会性心身症のケアをどうするのか」「行政の言葉が若者に響かない」「若者が学校を超えて出会う機会が非常に少ない。」「LGBTだけでなく、多くの恋人を持つ人や全く一人も愛さない人など、性教育でさらっと知らせるだけでなく、もっと愛について学ぶ教育の場が必要ではないか。」「未来の気候変動の負荷を今取り除くために必要な政策」など一人一人が発言し議員はファシリテーターの役割を担う聞き役を務め、選挙後の政策となりえるとのこと。さらにビール会社が若者の民主主義の学びに投資することになっていて朝9時から夕方まで活発に意見を出し合う集会が複数回持たれるとのこと。

(図書館の司書の団体が企画運営して高校で行われた授業の一環である意見集会の様子)

神奈川ネットワーク運動はまさに北欧の先進的な福祉や教育の政策に学びながら生活の現場と地方政治の議会に議員を送り込み、女性議員を増やし、まさに政治を変えてきた地域政党です。でも今の日本の状況を見るとやり残した仕事がたくさんある。特に政治の型に切り込めなかったことが大きい。実際に議員年金廃止運動のみならずすべての議員は月額18万円以上の歳費を市民運動のために寄付し、2期以上継続は許さず新しい市民(生活、子育てを担う市民)を政治の場に送り込んできた。今こそもっと深く私達の本旨について見極め、磨いていかなくてはならないと痛感しました。

デンマークを突き動かしたのは危機感であったと思う。真剣に本音で語り合い、柔軟に展開すること。今ここから新しい道を創るという連帯。

ニールセンさんは子ども時代を橘団地で過ごし、ほぼ二宮が生活圏であったそうです。是非ニールセンさんのお力を頂きがら人口6万人のデンマークロラン島と交流し、混迷の時代ならではの子ども達を真中にした未来に向けて活発に議論の場をつくりたいと思います。

デンマークの政治については次に続く。。